原付の旅 29日目 鹿児島市〜雲仙市

一日中雨で凍える。

  9月、夏は終わったのか。元々は月末には帰る予定だったんですが、台風だったり、iPhone壊れたりで延び延びになってますね。ちょっと駆け足で行きましょうか。

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  はい、鹿児島市から長島の蔵之元港まで一気に駆け抜けました。道中はずっと豪雨、港着く頃に漸く晴れ間がでてくる。相変わらず走るときに限って雨に降られるマン。時刻表も確認せずに港着いたら、30分前という丁度いいタイミング、フェリーには恵まれてるマン(沖縄の帰り道を除く)。身体を天日干ししつつウロウロしてると猫。ほんとどこにでもいるな、猫。そして港の桟橋付近から海を覗くと見える魚がカラフル。すごいなぁ、内地も西に行けば海は南の島と変わらんのか。

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  そんなこんなでフェリーが来て乗り込む。何回乗っても乗船はわくわくの瞬間。非日常感がとみにでるなぁ、とうかれながら船内へ。船内には普通に通学に使ってるっぽい学生さんとかもいて日常とは人それぞれですね。不思議。

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  30分くらいで天草の牛深港に到着。下船して崎津を目指して走る。おぉ、景色がデジャヴる。どことなくしまなみ海道の島々な感じ。あの辺りの雰囲気は大好きです。そして晴れてきた。やったぜ。

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  気持ち良く走ってると、あっという間に崎津天主堂のある崎津集落に到着。ここはこのあいだ、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部でも中々に行きにくそうな場所なので今回の旅に出発する前から絶対に行きたかった場所の1つ。

  天主堂の中は当然だけど写真は撮れない。感想は至って普通の教会、だけど普通だと木造りのベンチでも置いてそうな赤い絨毯の上に畳が敷いてあるのが趣深い。ステンドグラスも変に凝ってなくて素朴な感じが畳とマッチしてる。庭の池には錦鯉が泳いでて普通なら灯籠のポジションにはマリア様が御座する。集落の家並びは普通に漁師町の面影。こういう色んなものが混ぜこぜになった上で調和してる感じが大好きです。

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変なアングルで撮ると天主堂が集落に溶け込む。

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  時刻はおやつどき。集落に来るまでに寄った観光センターで仕入れた情報によると、ここ崎津には南風屋(はいや)の杉ようかん、という銘菓があるらしい。生菓子らしく消費期限が1日という真の御当地お菓子。これは食べるしかない。こういうのがあると旅してて良かったと思う。

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売り切れてやんの\(^o^)/

  まぁ、ね。既に15時ですもんね。そりゃ手作りの老舗の味は売り切れますよね。と、しょんぼりしながら駐輪場に戻ると観光案内をしてるおかあさんと目が合う。杉ようかん食べ損ねたことと大阪から来てることを伝えるとおかあさんが、少し離れた温泉施設の売店に杉ようかんが売ってることを教えてくれました。しかも電話すれば取り置き出来るよ、とそこのパンフレットまでくれました。慌てて電話してみると残り1個ならあるとのこと。取り置きをお願いして電話を切る。少し離れたところにいたおかあさんに大きくマルのジェスチャーしてお礼をする。本当に感謝、ありがとうおかあさん。ウキウキしながら温泉施設に向かう。温泉施設も急に謎の電話で引いてるんでしょうね、知らないな、お菓子のためなら。温泉施設に着いて温泉大好きマンなのに温泉には目もくれず、売店に直行。売店のオバちゃんにさっき電話で取り置きお願いした者ですと伝えると、1個しかなくてごめんね、と言われる。1人なんで1個で大丈夫ですと言いながら110円を渡すと苦笑いされる。ええんやで、オバちゃん、笑ってくれて。

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  ほんとに消費期限1日。ほんとに杉が入ってる。けどようかんではない、餅にあんこって感じ。餅はのびるし、重力に負けるくらい柔らかい。こりゃ美味しいし、日持ちしないですね。食べれてよかった。重ねておかあさんには感謝。

  おやつも食べたし、観光しつつも北上する。合間にマリア様とか大江天主堂とかも見る。

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熊本にはいった瞬間、出現率が高いが過ぎるやつ。
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  日も暮れてきたし、天気もなんとか持ちそうだし、予定してたキャンプ地へ向かうぞ、と走り出した瞬間またもや豪雨、しかも雷のおまけ付き。たぶんこの旅いちばんの大荒れ。沖縄の台風超えた気がします。こんな中で海際のキャンプ場でテント泊は死んでしまう。身体も冷え切っててガタガタ震えだす始末でした。耐えきれずに取り敢えず近くの港に逃げ込む。

  そうしたら、あれ?なんか今日の最終便に乗れるんじゃないかしら?と受付へ。18:30の最終便にギリギリ間に合いました。もう、寒さと疲れであんまり考えないままチケットを購入。天草を4時間で駆け抜ける。またゆっくり来たいなぁ、晴れてる時に。

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  フェリーの中で慌てて宿を調べる。天草で一泊の予定で対岸に何があるのか殆ど把握してません。タイムリミットは到着するまでの30分、着いたら19:00過ぎる。どんどん日は落ちるし、どんどん店も閉まる時間です。

  調べまくった結果、どうやら雲仙市まで行かないと安宿はない模様。うん、知ってる。雲仙普賢岳、山ですよね。どうやら近くに温泉街があるらしく、そこに一泊3500円のドミトリーがあるみたいでした。フェリーを降りて即座に電話、高いけど交渉もせずにそのまま予約。ご飯食べるところあるか確認、ない。スーパーで晩ご飯確保。さぁ夜の豪雨登山ツーリングの時間です。

  凍え死ぬかと思いました。ここまでの雨で安物のマウンテンパーカは浸水しまくり。山を登れば登るほど気温は下がる。そしてガスる。死ねる。震えながら走ると何回も目の前をイタチやら何かわからん小動物が横切る。こわい。割と死に物狂いで走ること約1時間。なんか気づいたら硫黄のにおい。そして温泉街。ん?本日のゲストハウスお高いけど温泉街の中心やん、しかもめっちゃオシャレ。助かったけど入りにくい。

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  モジモジしてるとスタッフさんが出てきてくれて労を労ってくださる。いや、私がアホなだけなのですが。チェックインを済ませたら共同浴場のチケットが貰えたので挨拶や説明もそこそこに速攻でお風呂に行きました。寒いんです。

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  あ、これ、私が大好きな古びた清潔な温泉だ。とシャワーを浴びて硫黄臭の湯船に浸かる。熱いんです。

  洒落にならないくらい熱い。注ぎ口の対角線でようやく力んで我慢できる。日焼け肌が燃えそう。一回浸かってしまえば大丈夫なんだ、と自分に言い聞かせて肩まで浸かる。熱い、けど生き返る。あ、3分もたないわ、これ。熱いし隣のおっちゃんが動いて対流できる毎にビリビリする。仕方なくあがる、湯切れがやたら良い。なんか不思議なお湯だな。髪も洗うと妙にしっとりするし、泉質が相性いいのかもしれない。ただ熱すぎる。

  お風呂で生き返ってのぼせた後は宿に戻りスーパーで買った晩ご飯をオシャレ空間で肩身狭くしながら食べて、さっさと寝ました。

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明日は雲仙と島原をめぐる。